INBOUND LABO 実践的なインバウンドマーケティング講座 第2回<地域にもお客様にも喜ばれる名ガイドの秘訣>
5/29(月)LEAGUE有楽町にて、第2回INBOUND LABO「地域にもお客様にも喜ばれる名ガイドの秘訣」を開催致しました。
今回はゲストとして、人力車「えびす屋」の小倉淳児さんと通訳案内士の島崎秀定さんのお二人をお招きし、お客様にも地域にも喜ばれる秘訣や取り組みなどを学びました。
はじめに主催者代表として、株式会社やまとごころ代表取締役 村山慶輔さんよりご挨拶。続いてUDS株式会社INBOUND LEAGUE企画担当の梅原繭子から、今年10月に開業を予定しているインバウンド事業者の為のコワーキングスペース「INBOUND LEAGUE」のプロジェクトについて、最新の情報を交えながらご紹介。
(INBOUND LEAGUEの最新情報はこちらから[Facebookページへ])
①人力車「えびす屋」小倉淳児さん
小倉さんは、京都・小樽・浅草など全国展開する人力車「えびす屋」の株式会社エビスエンタープライズ統括本部長として、ご自身の俥夫の経験を活かした事業推進を行っています。
「えびす屋」さんは、トリップアドバイザーで寄せられた口コミのうち、最高評価の「とても良い」の獲得率が、なんと96.4%(浅草店1,316件中)になるという、驚異的な顧客評価を得ている人力車屋です。
お客様をそれだけ喜ばせられる秘訣は、ずばり「お客様に対する愛」。
「声を掛けても振られ続ける中で乗ってくれる事になったお客様には、自然に愛を感じるもの。それを最大限に表現したい」という思いで、皆さん取り組まれているそうです。
②通訳案内士 島崎秀定さん
島崎さんは、観光ガイド・講演・書籍執筆など幅広く訪日客のおもてなしに精通する通訳案内士です。
東京オリンピック開催に向け、法改正でも話題になった通訳案内士。島崎さんは多方面でも活躍する第一線の通訳案内士として、書籍も出版されています。
(島崎さんの著書)
・通訳ガイドというおしごと 仕事の始め方から技術を磨くコツまで アルクはたらく×英語シリーズ
・人気通訳ガイドが教える 誰にでもできるおもてなしの英語 (講談社パワー・イングリッシュ)
受講者の中には現役の通訳案内士や、これから通訳案内士を目指すという方も多いなか、通訳案内士という仕事について説明。「添乗員の方とのつながりを大切にされている」というエピソードが印象的でした。
③トークセッション
講演に続いて、村山さんをモデレーターに迎え、トークセッションを開催。
「人力車に乗ってもらう為に、お客様にはどのように声をかけているのか?」という質問に、小倉さんは「Welcome! Welcome!…Welcome!(満面の笑みで)」とカメラで捉えきれない勢いでその様子を実演。
社員の方々に対しては「黒目を見なさい!黒目の中からお客さんの中に入り込むんや!」と熱く指導されているそう。
地域に対する活動で大切にしているのが「挨拶と掃除」。
毎日掃除をしながら、地域の方に笑顔で挨拶をして回ったところ、後でお客様を乗せて案内している時に「おう!写真撮ってやろうか!」と声をかけてもらえるようになったそうです。
島崎さんも、案内したお店の方に嫌われてしまうと「もう来なくて良いですよ」と言われてしまう為、お店の方にも喜んでもらえるような工夫を積み重ねているそう。「日本はドライバーとガイドも、お店の人もすごく優しいと思ってもらいたい」という思いで取り組まれているとお話されていました。
「まちぐるみでガイディングしていく」「よく学ぶ」「相手を好きになる」「ポイントでサプライズを組み込んでいく」「失敗はカバーする」など、小倉さんと島崎さんのそれぞれの失敗談と成功談、社内や同業者との情報共有方法など、さまざまの秘訣をお話いただく事ができました。
会場からの質問も活発に寄せられ、本編に続いて行われた交流会もほぼ全ての方にご参加いただき、参加者同士での意見交換も盛んに行われていました。
この日もインバウンドに携わる様々な業種の方が参加。登壇のお二人から「改善を繰り返す為に仲間との情報共有は怠らない」という言葉がありました。インバウンド業界全体の連携と共創の大切さを感じる講座となりました。
第3回講座は<飛騨高山に学ぶ地方創生とインバウンド>と題して、6月22日(木)に行います。どうぞお楽しみに。
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登壇者プロフィール
■株式会社エビスエンタープライズ 統括本部 部長 小倉淳児 氏 プロフィール
1973年生まれ。2001年、アルバイトとして入社し常に営業成績はトップで数々の社内記録を保持。2005年、社員登用後は新規5店舗の立ち上げを手がける。現場にてインバウンドの流れを社内でいち早く感じ、現在は人力車えびす屋全10店舗の運営やサービスの向上等について指導・教育に力を注ぐ。また、4/22函館店オープンにも携わっている。
■通訳案内士 島崎秀定 氏 プロフィール
1963年東京生まれ。慶応大学経済学部卒業後、経営コンサルティング会社、伊豆ガラスと工芸美術館副館長、海外専門の旅行会社勤務等を経て、2009年より英語の通訳案内士として活動開始。通常の観光ツアーのみならず、クルーズの乗船ガイドや、国際スポーツ大会の外国チームアテンド等、活動分野は幅広い。稼働日数は通訳案内士の中でも最高レベルの年間約220日。その他、「通訳ガイドというおしごと」(アルク刊)、「おもてなしの英語」(講談社刊)の執筆や講演活動も行っている。様々な資格も保有しており、通訳案内士、英検1級、仏検2級等の語学関連をはじめ、総合旅行業務取扱管理者、博物館学芸員、一級小型船舶操縦士等多岐にわたる。
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次回予告
INBOUND LABO 第3回<飛騨高山に学ぶ地方創生とインバウンド>
人口9万人に対して、46万人もの訪日客が宿泊する岐阜県高山市。山あいにあり、決してアクセスが良いわけではないこの街に、いま訪日客が押し寄せています。実は、昭和61年の国際観光都市宣言以降、他の地域に先駆けて多言語化やバリアフリーなどを実現していますが、その根底にあるのは“地域に暮らす人”にあるのだそう。そこで本セミナーは、長年にわたりインバウンドや地域活性に貢献されてきた高山市役所 元ブランド・海外戦略部長 田中明氏を講師にお招きし、高山市の成功事例や、日本人にも外国人にも愛される街づくりの秘訣などを学んでいただけます。
2017年6月22日(木)18:30〜(受付開始18:15〜)
【受講料】 5,000円(交流会費込み)
【会場】 LEAGUE YURAKUCHO 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館ビル6階
【お申込み】 http://www.yamatogokoro.jp/event/4620/(やまとごころHP)
【講師】
高山市役所 企画部 部長 田中明 氏