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【レポート】プロジェクトデザインラボ 第4回 <都心・郊外・観光地の未来を考える>  小野 裕之さん×橋本 崇さん×黒田 哲二さん
GINZA/REPORT
2017.08.16
【レポート】プロジェクトデザインラボ 第4回 <都心・郊外・観光地の未来を考える>  小野 裕之さん×橋本 崇さん×黒田 哲二さん


プロジェクトデザインラボ<企画の立て方のナレッジシェア講座>第4回。

ゲストに、橋本 崇さん小田急電鉄株式会社 生活創造事業本部開発推進部)、小野 裕之さん NPO法人グリーンズ プロデューサー・事業統括理事)、黒田 哲二さんUDS株式会社 戦略プロジェクト室執行役員)を迎えた今回。
「都心・郊外・観光地の未来」をテーマにトークセッションとワークショップを行いました。

——講師 新井 宏征氏株式会社スタイリッシュ・アイデア代表取締役)

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まずは小田急電鉄の橋本崇さんより、自己紹介として今まで手掛けてきたプロジェクトを紹介。
新宿駅ロマンスカーカフェや座間市・ホシノタニ団地、代々木上原・NODE UEHARAなど。

企業の中でプロジェクトを推し進めるための、企画のコツを伝授。
そして小田急線沿線の「都心・郊外・観光地」ということで、<新宿><町田><箱根>それぞれの現状と課題を紹介。
どの地域も身近な地域でありますが、「日帰り客やインバウンド観光は増えているが、日本人の宿泊は減少傾向(箱根)」など意外な課題も。
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続いて、グリーンズの小野裕之さんから活動内容の紹介。

グリーンズは、「一人ひとりが『ほしい未来』をつくる、持続可能な社会」を目指すNPO。
世界中の社会課題やその取り組みを紹介するウェブサイトgreenz.jp
人と人がつながるgreen drinks,
「もっと、こうしたい!」という思いやアイデアを、形にしていく学びと実践の場
グリーンズの学校
などを手がけてきました。

活動の中で大切にしていることとしては、「理想を追求できるスケール、当事者にとって適切なスピードを大切にしている。」と語り、新しいプロジェクトとして日本橋小伝馬町に誕生するANDONも紹介。
おにぎりをメディアにして、地域をつなぐ、風景を守っていくという新しい取り組みです。
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UDSの黒田哲二さんからは
都心のまちづくり事例として、前職で手がけた虎ノ門の開発を紹介。
デベロッパーの立場として「自分がやり過ぎないこと」を意識して、魅力的なプレイヤーとプロジェクトを手がけてきた背景を語りました。

グリーンズの小野さんとは、「リトルトーキョー」(現在は清澄白河へ移転)を手がけ、話題に。
人々がもう一つの肩書きを持ち自治がある施設で、いろいろな職業の人限定バーテンダーになる「しごとバー」が開催されるなど、いわゆるオフィス街、乾いた土地にカルチャー(語源はcultivate=耕す)を生み出した事例です。
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トークセッションでは、ゲストそれぞれの企画のコツを聞き出していきます。
「企画は1%であって、99%はあきらめないことと根性だと思うんです。」「”説得”ではなく”共感”をしてもらうことでチームを作っていきます。」と橋本さん。

「『この人の夢を実現させたい』と思えるような、モチベーションが上がる人と一緒にやる。純度の高さを大切にしていきたい。」(小野さん)
「『自分は何ができるのか』を示さないと仕事は増えない」(黒田さん)
それぞれの仕事のつくり方、取り組み方のこだわりに、参加者もうなずきながら興味津々。
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後半は、参加者がそれぞれの関心から<都心><郊外><観光地>の3チームに分かれ、シナリオプランニングのワークショップ。

シナリオプランニングとは、「複数の未来を予測し、その未来になった時にどんなビジネスチャンスがあるのか?自分たちはどこへいきたいのか?思考を未来に飛ばしてその道のりを調べるもの」

小野さんからは、「ハード面に寄ってしまいがちなところを「人」や「ソフト」から考えてみては?」とアドバイスも。

都心・・改札で”Happy Birthday”コールなど、わくわくするような、笑いにつながる仕組みがあると良い。
郊外・・教育に特化した団地があると良いのでは?
観光地・・「ハレ」よりも「ケ」(日常)を考えるべき。
など様々な角度からのアイディアが挙がります。


橋本さんからはあがった意見一つ一つにコメントを。この中から新規事業が生まれることを期待しつつ、身近な地域のまちづくりの課題に触れた回となりました。

次回: 8月29日(火)開催 <経営×まちづくり>
山崎 大祐氏 (株式会社マザーハウス取締役副社長)
中川 敬文氏(UDS株式会社代表取締役社長)